issue-84

今はAM4:44。風呂に浸かっているところだ。0時くらいになり、アオピと散歩をしに行った。解放倉庫に行きまた意味のわからないDVDを見つけそれと共に40cmくらいあるウルヴァリンアメリカントイを買った。また歩いて家まで戻り車の中に荷物を投げ込んで、家の前に立て掛けてあるスケボーを手に取り夜へ駆け出した。

 

 

アオピのスケボーも最近はウチに置いてある。ウチの周辺は超閑静な住宅街で町には2人以外いないのかもしれないと思える程のゴーストタウンだった。猛プッシュする度にスケボーの地面を駆けていく音が静まり返った夜に響いた。駅の近くでアオピは車に轢かれかけた。そんなことは流して24号線に出て車道を思いっきり走った。けど、地面はデコボコで最悪だった。地面から伝わる振動が足裏に響きマクドに着く頃にはすでにカカト付近の筋やふくらはぎ周辺がスキーをした後みたいになっていた。

 

マクドに着いて一先ずラキストを吸おうとマクド内の喫煙スポットに行くと灰皿が撤廃されていて敷地内禁煙4/1~と書かれていた。別に灰皿が無くてもその辺で吸うので大したことが無いと言えば大したことはないが、やっぱりオフィシャルにタバコを吸える場所が無くなっていくのと比例してため息を吐く回数は増えていった。アオピの新しいブログの新刊を書こうということでマクドに来たが充電が残り6%だったのでセブンで缶コーラを2本買って、ちょっとした下り坂をスケボーで走ってアオピん家に行った。その下り坂を滑る時はロードオブドッグタウンという映画の冒頭、トニーアルバが下り坂から交差点へ侵入していくシーンが頭によぎった。

 

 

家に入ってしばらくしてウイイレをやった。けど、アオピのTVはコードがウンコでちょっと当たっただけで電源が切れてしまう激弱メンタルサプライだった。しかし、流石そのTV主。職人とも思える手捌きで電源の入るベストポジションを見つけ出しその場所から動かぬようにVANSのスケーターハイを置いて固めていた。

 

 

アオピの使うウイイレは2019でおれのやつより2年新しい。2017には存在しない同じ98'sの神童エムバペ擁するパリ・サンジェルマンを使ってプレーした。結局CFはカバーニよりエムバペの方が使いやすかった。1試合12分を5回程してからトライアルの駐車場に滑りに行こうとなり家を出た。しばらく進むと歩行者立ち入り禁止、車専用道路で奈良県最大ともいえるスロープを目にしてアオピは口を開いた。"あこ歩いていこや"と。その頃時刻はAM3時で車通りは少ないとはいえ、逆に大型のトラックや飛ばし屋しかいない時間でおれは流石にヤバいwと言った。するとまさかの"ほんなら後で合流しよ"と言ってきたのでスケボーで猛プッシュして坂を登り始めた。サンブンノイチ程登った時、アオピが"てるき!ヤバい!!トラックきたw"と叫び出し、二人で目を合わせた瞬間スケボーを手に抱え全力疾走した。その瞬間、赤信号が青に変わり始め映画トレインスポッティングのオープニング、主人公がポリから逃げるために全力疾走するシーンがその時のBGM "lust for life"のドラムから始まるイントロと共に脳内再生された。12秒ほどベタ踏み坂には劣るとも人間が走るにはまあまあ急な坂を走るとアオピが"中央分離帯!!中央分離帯に逃げよ!!"と言って後ろも見ずに一目散に走った。すぐ後にトラックは横をゴォォォォオーと言う雄叫びを上げ排気ガスの匂いと後ろに吹く風を残して走り去って行った。その時アドレナリンはMAXで坂の頂上からスケボーに乗り全力で漕ぎ出した。8秒ほど最高の瞬間を体験したら目の前に黄色のダンプが見え思わずヤッベ‼︎と思いスケボーから飛び降りた、そしてそれを伝えようと後ろを振り向いた瞬間、アオピは映画のスタントマンの様に、その瞬間だけ時が進むのがスローモーションかの様に、綺麗に、盛大に転び、ガッシャーン、ゴロゴロゴロと言う音と一人でに進んでいくスケボーと共に崩れ落ちた。おれは後ろからトラックが来ないかとヒヤヒヤしながらも内心爆笑でもう一度スケボーに乗り爆速で下ってトライアルの駐車場に入った。

 

もう一度トニーアルバが頭をよぎった。そのシーンでトニーアルバは交差点を抜け、喜ぶがその瞬間にハデに転けていたからだ。それがさっきのアオピと重なり合った。

 

 

腰を下ろして2人で爆笑した。

 

さっきウイイレをしてる時アオピにゴールをリバプールのサラーに決められたのと同時に足を広げセルフ恥ずかし固めをしながら豪快な屁をこいた瞬間に出た笑いと似ていた。久しぶりにアドレナリンがドバドバ出て、それが過ぎ去り足が少し震えているのが心地良かった。

 

 

何故このブログの名前が"In our time"なのかと言うとyonigeで好きな曲の"our time city"みたいでゴロがよくてイケてるのと、例えば学校や仕事みたいなメインなことに追われていても自分たちの好きな時間は必ず存在しているし、そうであって欲しいと言う自分の願いみたいなものを込めている。それを超考えて決めた訳では無いけどその文字を打ち込んだ瞬間に感覚的に浮かんだのがそういう祈りみたいな部分である。

 

客観的に見ても"In our time"は何処か幻想的で良い名前だと思うし気に入っている。おれは細部のディテールまでコダワリたいし、それを愛している。

 

 

今日は最高の夜だった。