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24時間テレビを見ながらリコはホコリをガムテープで取っている。"ホコリはどっから出てくるだ?てるちゃんホコリを駆除する機械みたいなんさ作ったら絶対儲かるよ。全国の主婦を味方にすることほど大きな味方はないよ"とリアリティが滲む言葉を放った。中々のパワーワードだ。続けて"ガムテープって最強だよな"とか"何で男って床掃除ができんだあか"とアグレシッブな言動をとって床掃除を手伝えよと訴えてくる。

 

24時間テレビをフルで見たことある?おれは一回だけある気がする。中2の夏だ。確か次の日から夏合宿でその日はオールした気がするがしてないような気もする。いつかの夏合宿の前はアオピの家に泊まった。多分それがアイツの家で寝た最後の日だ。案外おれらは泊まったりしない。おれは泊まりたいと言うよりかは"泊まってく?"といつも言う。決まって"パス。泊まってなにすんねん"とアイツは言う。確かに泊まりというイベントは普段の生活とあんまり大差は無い。

 

晩ご飯は親子丼+海老天で超絶弩級の旨さだった。今日はいつもより砂糖が効いていたが嫌味のある甘さじゃなく美味しくいただいた。今リコは掃除をしながら"今日の親子丼美味しかった〜?"と聞いてくる。食ってる時にも"うまい!"と言ったし美味かったよーと今言うと"ホントに思ってんの〜?"と返された。"おかわりもして、めっちゃ食ったでしょ?"と聞くと表情が緩んだ。リコのお母さんが"いっぱい食べる男は良い。自分が作った弁当を2つくらい余裕で食べられたらドキッとするかも"って言ってたよ。と言うと完全にニコニコしながら"お母さんホントに可愛いがあ"と呟いた。

 

飯食う男はカッコいい。最近そう思う。今ならあん時のステーキは2個くらい余裕でいけそうだ。いつかリベンジさせて欲しい。

 

 

10代の時どーやって夏過ごしてたっけとふと思った。奈良には海がない。けど、中1の時から毎年夏はこっちで海に入ってたような気がする。プールでモリケンiPhoneを海パンのポッケに入れたまま思いっきり水中へとダイブしていたあの頃を鮮明に覚えている。10m程泳いだ後、"うわ!ケータイ入れてた"と言っていた。何であん時アオピとモリケンとおれでここに居たのか今となっては不思議だ。昔はよく遊んでいたモリケンもいつからか全く連絡を取らなくなった。アオピ、おれ、モリケンはこの徳島トリップ以外にもマンボウで働いた戦友でもある。モリケンはいつも足を引っ張っていた。忙しい休日にアイツと入るといつもオーナーは不機嫌でこっちにシワ寄せが来るのが嫌だったのを思い出した。

 

夏休みって最高の響きだ。

 

 

中学、高校の時は夏休みは10日あるかないかだった。大学に入って感動した。おれ大学入ってよかった〜と身に染みた瞬間だ。3回、4回の夏は遊べんとか言われてる中で超満喫してる。高3の時もガッコーに行かなくても良くてめっちゃ遊んでいたのを思い出す。あん時はアオピが家でカービーのエアライドをやりまくっていた。あんなくだらない日々がこれから恋しくなるのだろうか。おれはそうは思わん。今振り返ればいつでもおれは伸び伸びやれていた。エレクトーン三昧だった日々の中でも息抜きがうまかった気がしてきた。これからの人生もそうでいたいな。

 

今んとこ人生で大事にしたいのはリコを含む家族との時間>心友>趣味、娯楽だ。けど仕事も大事だ。ぶらぶらしながら天職と早い段階で出会えたら嬉しい。早く出会えたら良いな。

 

 

早くそっちから歩み寄ってこいよー

 

 

p.sライカを買おうか真剣に迷っている