issue-62

束の間の極寒二月は至極凍てつく気温だった。久しぶりにチャリに乗ると手と顔にぶち当たってくる風がそれを思い出させた。

 

 

ついこの間うちのゼミの先輩であり、その代のエースとして存在していたダイゴくんと呑みに行った。彼は至って真面目で身なりや格好に奇抜なものは無く、普通が似合う人間だ。それでも人よりエグい物を持っていた。それは競争心だった。ハイボールをハイペースで呑みながら話す中で先輩は他の人間が遊んでいる間、自分は就活に出来る限りの全てを注ぎ込んだ。そういった人々に負けたくなかった。自分が受けた会社に自分は落ちてその人たちが受かるという事態を目の当たりにしたくなかった。と言っていた。おれはダイゴくんがそういった熱く、シャープな心を持ってやっているとは思っていなかったので、その話を聞いてもっと人間として好きになった。

 

 

物事の全てはモチベーションだ。外から覗くと凄くハードでタフでコンスタントな環境に置かれていて、苦しそう、辛そうと見えていてもその台風の目にいる人間にはそういった感情は無く逆に楽しんでいる時がある。

 

 

心の余裕がどこかに存在している人間は無敵だ。

 

 

でも、余裕があり過ぎるとそれは返って毒になるのでバランスを取ることが味噌だなと、どっかの誰かが書いてあるブログのキムチチャーハンの記事を読んで思った。