issue-45

絶望的なタイミングで寝るタイミングを逃してしまった。至って普通の、けど自分からすれば非日常のこの日々が続いていく限界がそろそろ見え始めた気がした。正直何も楽しいと心の底から思えない。少なくともそんな日々がまだ3日は続いて行く。

 

初夢はまだ見ていないし、御神籤もまだ引いていない。ネバヤンの"明るい未来"を聴きながら未来を想像すると次にナルバリッチの"kiss you back"が流れ想像した未来は急速に幻想的な世界に煌きだした。やっぱり音楽の力は偉大で気高く、イヤホンの向こう側にいる人間の未来を灯そうとしてくれる。

 

 

どこまで流れ、どこに辿り着くのか不安な一方きっと大丈夫だろうという謎の安堵感もある。最後のエレクトーンコンクールの入賞者発表の前、テスト返却の瞬間、受験合格発表の日、そんな時はいつもこの謎の安堵感に救われた。これからも沢山側にいて救って欲しい。冬は日照時間が短く太陽の光を浴びる時間も少ないのでセロトニン(幸せを感じる物質)の分泌量が少なくなりがちで、この季節だけうつ病になる人もいるらしい。と昨日アオピは言っていた。年越しして、初詣に行った帰りに聞きたくはない言葉だ。アオピはそういうところが抜けている。おかげでそんな気がしてくる。

 

今流れているあいみょんの"マリーゴールド"を聞くとまた救われる気がしたが曲が終わるとまた賢者タイムがやってくる。薬物に依存している人間の浮き沈みを想像すると自分には向いていないことが安易に想像できた。想像出来るか出来ないかで物事のやり易さはとても変わってくる。例えばスケボー、映像を見るだけで上手くなる。ギターも同じでLiveの映像を見るだけで触らなくても上手くなっている時がある。

 

徳島に行く前スタジオに集まった。一誠と何年かぶりにジャムった。あの頃の日常は今じゃ非日常的なシーンになっていて、久しぶりに誰かと合わせるという事自体が楽しく、お互いあの頃より上手くなっていたのがよりソレを楽しく感じさせた。あの瞬間は綺麗で、曇っていたフロントガラス越しの視界が一気に開ていく感覚に似ていた。

 

 

BUMPの"車輪の唄"が流れ出し、中3の時一誠とヨッシーとあおぴと徳島に向かうバスの中でウォークマンでこの曲の再生ボタンを押した瞬間がフラッシュバックした。あの頃はもう二度と戻って来ないんだなぁと当たり前のことを、久しぶりにこの曲を聴いて感じた。

 

 

 

過去はもう二度と戻って来ない。思い出と部屋の荷物が増えていく。