issue-46

部屋の整理をするとルームメイトからの手紙が出て来て久しぶりに読んだ。帰りの飛行機で読んだ時は涙が溢れたが今読むとずっとwe miss you. の繰り返しで後半からは少し笑ってしまうくらいだった。でもやっぱり懐かしいその過去を思い返すと惜しむ気持ちもある。留学最後の方は日本に帰りたくて仕方がなかった。帰る3ヶ月前くらいからタイセイと休み時間にあと何日でこの日々が終わるか毎日数えては絶望したものだ。

 

年末に首を寝違えてからまだ筋が痛む。それに一昨日から弟が高熱を出しているが、おれも貰ってしまったかもしれない。昨日の晩から熱が下がらない。今はスタジオでバイト中だが身体が痛み鼻水と咳が止まらない。特に鼻水。それでも煙草吸うと吸えるのでまだ大丈夫だ。自分の中で煙草が吸えるか吸えないかでやばい風邪か、そうじゃないかを見極めるメディカルチェックになっている。

 

 

話は変わって今はサッカー高校選手権が熱い。甲子園は見ないが選手権と天皇杯を見るのが自分の正月を感じる瞬間だ。今年は鹿島が弱くて残念だった。選手権の方は準々決勝までそこまで強くもない徳島市立が勝ち進めているのは驚いた。しかしやっぱり格の違いを魅せているのが前回王者青森山田だと思う。去年の青森山田はタレントが凄かった。コンサドーレ札幌に行った檀崎をはじめ、イケメンキャプテンGKの飯田、195cmのDF三國ケネディエブス、プロ顔負けのドリブル力を持っていたバスケツバイロン等、見ていて面白かった。

 

今年は1年生ルーキーの松本が凄い。一回戦で強豪米子北から点を決め、二回戦富山第一からも連続でゴールを奪っている。しかもツーゴール。この松本は第二の柴崎岳と呼ばれているくらい凄い。とにかく凄い。一年生とは思えない肝の座り方とルーキーならではの縦への推進力が凄まじい。でも絶対という言葉も存在していない。何が起こるか分からないから恐いが、また楽しいのかもしれない。今年優勝して欲しいのは徳島市立だ。ジャイアントキリング、大番狂わせのダークホースとなって欲しい。今年の奈良代表は五條だったが来年の選手権にはタツキ率いる育英が行って欲しいと思う。ちなみに五條は一対一でPKになり、3人全員がPKを外し夢破れた。お前らPKの練習したか?と思える程に酷かった。

 

 

昨日も眠れず5時から近所の堤防沿いを歩いた。とっても寒かったがその寒さがちょっと強がって言えば心地よくも感じた。昔兄さんと鯉を釣りに行ったとき足を滑らせ落ちた川を見つめた。あの時も1月だった。川の流れは速くとっても寒かった。落ちた時おれをビックリしながら心配そうに見つめる兄さんの顔は一生忘れないだろう。とっても滑稽な顔だった。それはおれもかもしれないが。

 

 

中学高校時代は全てにNOと言いたかった。誰も自分を理解できる人はいないと思っていたし、自分も他を理解しようとしなかった。人と同じことに意味を感じなかった。今は違う。理解しようという気持ちは生まれた一方であの頃のような鋭さや無骨さは無くなった。それが大人になるということなのか。それも違うと思う。気づけば孤独を恐れていた。ここでの孤独はボッチという意味ではない。みんながとる行動、安牌に流れていかないと云う意味の孤独だ。もちろん文字通りのボッチも嫌いだ。誰かといたほうが何倍も楽しい。

 

高校選手権を見て思った。この大会に出る高校は皆、一人はプロ入りが確定している様なエースを擁している。しかし当然の如く他校はメディアから注目されたその個について徹底的に対策する。そこで大勢のマークにつかれたエースは身動きが取れず負けてしまっている場合が多い。その時、個の力を諦めパスという安牌を取ったチームは負けることが多い。高校選手権には初期衝動みたいなものがある。ティーン特有のノッテル、いけるっていう無敵状態ってやつだ。自分を信じ個の力で切り抜く様は見ていて感動する。

 

自分を持っていない奴はシーンに流されていく。心が弱い人は何も信じることはできない。自分はどうだろう、流されるのか。自分は新たなシーンを創りたい。2020年が始まった。この年は色んなことが変わる年になるだろう。その群れの中で個を高めていく。

 

 

そして鼻水が止まらない。