issue-39

奈良から高速に乗り飛ばす。ビュンビュンと飛ばして前の車を次々に、まるでアメリカ開拓時代カウボーイが馬に乗り荒野を走った様に駆けていく。タイヤを変えたばかりのマークXは嬉しそうだった。でもまだ慣れていなくて車線変更を繰り返す中でスリップ注意のマークが度々出てきた。

 

道中、空前絶後のハプニングが起きたがすました顔をして湊町ジャンクションを降り、パーキングを探した。

 

かなり待たしていたので急いで電車に乗り梅田に向かった。着いた時にはもうみんなルクアの地下の方の串カツ屋松葉の前で列になって並んでいた。その時しゅうすけさんは訳の分からないゲーセンでの戦利品、大きなポッキーみたいなものを持っていた。千鶴さんはおれらとの晩飯を飛ばして違う子と食べていた。

 

松葉でカウンター一列に5人で並んで立ち食いした。アオピもしゅうすけさんも立ち食い初めてかもと言っていた。松葉に行くと必ず食べるのは若鶏とカマンベールチーズだ。ここの若鶏はカレー粉がかかっていて美味しい。オリジナリティに溢れているこのチープな若鶏は最高だ。カマンベールチーズの食べ方は決まって塩をかけて食べる。これにビールを合わせて飲むとたまらなく美味い。

 

リコが半ば興味本位で頼んだ梅酒のフローズンをおれ以外の男2人で回し飲みしていた。アオピは最近遂に良い感じの女の子が出来たらしい。それも歳上だそうだ。サクラに一緒に行き手を繋いだこと、帰り際にハグをしたことを照れ臭そうにおれらに話していた。その時何だかジーンと来た。皆んなそれぞれの道を進んでいるんだ、とこんなしょうもない事で思った。高校を卒業し毎日一緒にいたアオピとも最近は会うことはとても少なくなった。それでもやっぱり会えば最高の腐れ縁だと思う。

 

松葉で食べたあと、一旦夜風にあたりに駅前の階段で座ったジャンケンをして負けた2人が何か飲み物をかってくると云うゲームをしてリコとジュンナがルーザーになった。瞬時に悪い予感がした。

 

2人の買い出しを待つ間男3人でホットアイマスクをして階段に寝転んだ。でもおれは直ぐに外ししゅうすけさんとアオピをムービーで撮ってやろうと思いケータイのカメラを開いた。すると今まで数々の罠にハマり続けてきたアオピの危機察知能力が上がったのかアオピもマスクを外し二人で目を合わしニヤニヤしながらしゅうすけさんを撮った。しばらくするとしゅうすけさんもマスクを外しはめられたー!と言う顔をしていた。そんな事をしているとリコとジュンナが買い出しから戻ってきて"今から3人にはゲームをして貰います"と言った。闇のゲームの始まりの合図だった。

 

To be continued