issue-130

色んな人を巻き込んで最高の結果になった。もはやシビルウォーだ。あれ系の映画の最後は必ずハッピーエンドなので、いつかエンドゲームが公開される日を心待ちにして、この映画館を出た。

 

 

コンビニでサントリーから出た新しいBLUEと名付けられたビールを2本かってさっきまで居た公園にアオピと歩いた。今は乾杯をして映画の振り返りをしている。ちなみにブルーの味は金麦より優しい感じだった。何よりパッケージが最高で金麦よりもっともっと淡いブルーで、綺麗で一目惚れしてしまった。今まで好きだった金麦にちょっと嫉妬された気もした。でも出逢ってしまったんだから、しょうがないよ。

 

 

沢山のことを得たし最後以外は凄く良く出来た映画だったと思う。この映画の主人公は誰だったのだろう?正解は全員だと思う。主要メンバーはみんな何かしら意気投合していた。途中で崩れていく関係もあったが。うーん。シビルウォーって感じよりかはトレインスポッティングなのかなあ。人間は弱くなった時マイナスのことしか信じられないんだっていうのが凄く伝わった。自分が汗水垂らし血を流し構築した関係も悪魔の囁き一つで落ちていく。それはずーっと深くて上を見ても灯が見えなくてずっと苦しそうだった。おれは一生ノイズを聞きたくないと思った。心地いい風の音と鳥のさえずり、そういう美しいものだけで溢れていたら世界はもっと良いのに。

 

 

つるむ友達は選ばないといけない。絶対に分かり合えない人種をこえた人種があることにも気づかされた。キャメルを今吸うといつもより苦くて渋味が強い気がした。この先ウソというトピックとは一生向き合っていくんだろうなぁ。あのキャメルを吸っていた人はウソを付くのかなぁ。ウソを付く必要がある時は絶対に存在していると思う。一生ウソをつかない人なんて誰一人としていないと思う。でも、相手によるのかも知れないってことも分かった。その人にはずっと裸のままでいないとダメなんだろう。でも自分の身体がコンプレックスに感じる時もあるよな、そういう時に笑顔で抱きしめてくれる人にならありのままの自分でいようと決めた。

 

目の前に座っているアオピは短パンでバンビみたいな脚をしている。シャワーを浴びる前体重計に乗ると久しぶりに800kgを切っていた。ピークからは0.5キロ落ちたことになった。我慢を繰り返した日々だったのかと言われるとそうでもない。確かに全く出会ったことのないタイプで分かり合えない関係を嘆いてた日もあった。でも最後は結局信じてくれたいたあの人がずっと心の支えだった。愛は無限に出てくる物だと思っていた。愛が消耗品ならこの世界はずーっと前に滅びていた。でも、まだ自分はスメルズライクティーンスピリッツだったのかも知れない。人生で初めて裏切られた気分になった。おれは本気で怒ったことがない。キレることが出来る人はある意味才能だと思う。MAXで負の感情が自分を支配していく時どんな感覚なんだろう。おれには分からない。

 

蒼かった空に橙色が加わってきた。なんかノスタルジックで哀愁が漂う。涙が出るかと思ったが別に出なかった。なんか感情は色んなところに走り回った結果、無に辿り着いた。全てはタイミングが決めることだったんだなーって何となくそんな気持ちになった。そんなもんは自分の手で変えてやりたかった。でも自分だけじゃ無理だ。バンドもそうだが、一緒にいるってことは将来を一緒に見つめるってことは運命共同体だ。一緒に同じベクトルに進めないと、前に進んでいけない。それに気付かなかった。気付けなかった。強引にただ力に任せて引きずることしか今のおれには精一杯だったんだ。

 

木々の合間から朝日が覗いてきた。太陽は好きだ。でもいまはブルーなんだからまだ出てくんなよって思った。書きたいこといっぱいあった。でも、もういいや。自分に何か起こっても誰も待ってはくれない。バイトだって授業だって、待ってはくれない。そんなちっぽけなことも待ってくれないほど自分は小さい。

 

 

いつかまたその映画の続きを、ハッピーエンドの結末を願って最後の一滴を飲み干した。

 

 

そして、次の日普通にエンドロールを見にいくと普通にハッピーエンドな映画だった。

 

なんだよ、最近流行りの最後に大どんでん返し系ね。と思った。