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この街には桜井と言う男がいる。ジャムおじさんみたいな髪と顔だ。リコの推測によれば、58-61歳そして娘2人の父親で、すでに孫の顔も見た、休日は朝から娘と奥さんに朝食を作ってあげ、皿洗いまで済ませる。でも夜はオフモードでビール片手にバラエティ番組を見て毎晩22:59に布団に入る。そんな感じだ。

この人は誰かっていうと、リコらの住んでる付近担当の佐川の配達員のおじちゃんだ。てるちゃんは桜井さんと呼び、リコはさくらいっちと呼ぶ。(勝手に)妊娠が分かったのが2020年9月。10月にこの街に引っ越してきた。その頃はまだ2人とも学生で、ただのって言えばあれだけど結婚もしてないカップルだった。その頃からお世話になっているさくらいっち。リコが結婚して名前が変わった時には、ついに名前変わったんですね〜とてるちゃんに言っていたらしい。お腹の中に居たはずのメイちゃんの存在もそろそろ知る頃だろう。赤の他人の中ではリコたちが変わっていく姿をたぶん1番近くで見てる人だろう。何だかほっこりする。時間指定してるのに、配達するといつもリコたち居ないよねごめんね。笑 常習犯過ぎてリコならこの家に荷物届けるの嫌になるだろうけど、さくらいっちはそれでもいつも嫌な顔一つせず、大切に荷物届けてくれてありがとう!さくらいっちこれからもよろしく頼むぜ〜!